1: 名無し 18/03/09(金) 22:45:41 ID:hlu
選曲の基準はわたくしが20年間の音楽生活で培った審美眼ですわ
ゆえに作曲家や作品の知名度は関係なくってよ
基本的にひとりの作曲家につきひとつの作品を貼りますけれど、
くるおしいほどすきな作曲家に関しては複数の作品を貼りますので、
そのところご了承下さいましね?
2: 名無し 18/03/09(金) 22:45:59 ID:hlu
武満徹 カトレーンⅡ
武満はフランス趣味があったらしく、
ドビュッシーのソナタと同じ編成の曲(今回は貼りませんがこちらも名曲でしてよ)を書いておりますが、
これはメシアンの世の終わりと同じ編成で書かれた曲ですわ
70年代以降の武満は切れ味がなくなったと批判する声も聴かれますけれど、
このような曲を前になおそのような評価を下せる輩がいるならば、
わたくしは寧ろその蛮勇を讃えますわ
3: 名無し 18/03/09(金) 22:46:12 ID:hlu
細川俊夫 瞑想、311の犠牲者に捧ぐ
日本人作曲家と言えば広島ご出身の細川氏も外せませんことね
昔はこの方、古典を題材とした高踏的な作品を書かれていたのですけれど、
震災以降社会問題に切り込んだ作品を発表なさるようになりましたわ
この曲、今年の七夕に広響が細川氏の作品の解釈で名高いメルクルさんの指揮で取り上げますので、
ご都合のつく方は広島にいらして、お聴きになってくださいましね
ついでにひろしま美術館のフランス絵画もご覧になってくださいまし
4: 名無し 18/03/09(金) 22:46:25 ID:hlu
藤倉大 フルート協奏曲
もうひとり、特に英国で人気の高い藤倉氏の作品ですわ
巷では現代音楽はとかく難しいものと思われておりますけれど、
この方のように素朴で親しみやすい曲をお書きになる方もいらっしゃいますのよ
現代音楽に関してはそのうちスレを立てて取り上げようと思いますわ
5: 名無し 18/03/09(金) 22:46:36 ID:hlu
サルヴァトーレ・シャリーノ 私の裏切りの瞳
ジェズアルド事件に取材したシャリーノの代表的な作品ですわ
クッソ寒い自分語りで申し訳ございませんが、
わたくしが積極的に現代音楽を聴くようになったきっかけは、
この作品を、事前情報なしに震災のあった年にフランクフルトのボッケンハイマーで見た事ですの
現代音楽に無知な人間をも魅了するのですから、シャリーノという殿方は不世出の作曲家ですわ
6: 名無し 18/03/09(金) 22:46:49 ID:hlu
ジャチント・シェルシ 山羊座の歌
現代音楽と超絶技巧は切っても切り離せぬ関係ですけれど、
この曲など好例ですわ
この曲、歌える歌手があまりにも少ないがためになかなか上演されませんけれど、
何と今年の5月にアステールプラザでシェルシのスペシャリスト太田さんの歌唱で取り上げられますのよ
広島までry
7: 名無し 18/03/09(金) 22:47:07 ID:hlu
ルチアーノ・ベリオ 民謡集
その太田女史は次のように語っていますわ
「私はシェルシを学びにイタリアに留学したのですが、
イタリアではベリオが一番尊敬されているのです。
彼の声楽作品を聴けば、その理由もお分かりになる事でしょう」
ベリオというととかくエログロな印象が先行しがちですけれど、
このように限りなく優しく愛らしい作品も、奥方であったバーべリアンのために書いていますのよ
8: 名無し 18/03/09(金) 22:47:18 ID:hlu
ギィ・ロパルツ 前奏曲、海と歌
ロパルツ?誰それ?と思われる方でも、
この曲をひとたび聴けばたちまち魅了される事うけあいですわ
フォーレの愛弟子だっただけあって、上品な抒情性は師譲り、
そこに彼の生まれ故郷のブルターニュの土の香りも漂う愛すべき小品ですわ
9: 名無し 18/03/09(金) 22:47:30 ID:hlu
ジャン・クラ 五重奏曲
ロパルツと同じ編成で書かれた曲ですわ
近代フランスの作曲家はこのように隠れた名曲を書いているので、
いずれスレを立てて取り上げようと思いますわ
10: 名無し 18/03/09(金) 22:47:41 ID:hlu
ヴェセリン・ストヤノフ 交響曲第1番
ブルガリア国民楽派の大家として、ヴラディゲロフと並び称されたストヤノフの、
2つある交響曲のうちの第1番ですわ
作曲された年代(1962年)を考えますとあまりにも保守的ではございますけれど、
そんなことはどうでも良くなるほど「美しい」交響曲ですわ
第2番も聴きとうございますが、(今のところネットには転がってい)ないです
12: 名無し 18/03/09(金) 22:47:53 ID:hlu
ショスタコーヴィチ 交響曲第13番
バビ・ヤールの愛称で知られる、ミーチャの二番目に良い作品にして問題作ですわ
バビ・ヤールそのものを曲にした最初の作曲家は実はミーチャではなく、
ウクライナのクレバノフという作曲家(曲はこれ)なのですけれど、
こういう作品を出されると、最初の曲が忘れられるのも致し方のないところですわ
「インターナショナルがどうして響き渡るというのだ、
反ユダヤ人主義者共がこの世から消え去る事などあり得る筈もないというのに!」
社会がどんどん攻撃的で不寛容になりつつある今だからこそ、
56年前にイェフトゥシェンコとミーチャが鳴らした警鐘が心に響き渡りますわねえ……(しみじみ)
13: 名無し 18/03/09(金) 22:48:05 ID:hlu
ショスタコーヴィチ ステパン・ラージンの処刑
何故バビヤールを二番目に良い作品と評したかといいますと、
この作品が存在するからですわ
ミーチャの美質が最もよくあらわれたこの最高傑作、
なぜ、(イェフトゥシェンコの手になる双子の兄弟ともいうべき作品の)バビ・ヤールほど
ポピュラーではないんだ、自問自答する日々。
それはともかく、処刑台に連行されるステンカをミーチャ本人、彼を野次る群衆を我々聴衆、
彼の処刑を命じたアレクセイ大公をソ連当局と見立てて聴きますと、
より一層この作品を趣深く聴けますことよ
23: 名無し 18/03/09(金) 22:52:49 ID:pGA
>>13
この曲が推されるとは思わなかった イッチは分かってる
14: 名無し 18/03/09(金) 22:48:16 ID:hlu
ムソルグスキー ボリス・ゴドゥノフ(1869年版)
この曲に関してはさんざん語ってまいりましたので、
今更説明を加える必要もございませんわね
ただ一つ、この傑作が「(ヒロインの登場しないオペラなんて)うんこ……うんこ……」という理由で、
(原典版は)上演を突っぱねられたなんて、
当時のロシアの楽壇 無能 審美眼なし ほんとひで
15: 名無し 18/03/09(金) 22:48:28 ID:hlu
ムソルグスキー 死の歌と踊り(原曲版)
ロシア史上最初の連作歌曲集にして、最高峰の曲ですわ
ショスタコーヴィチ編曲版で演奏されることの多い曲ですけれども、
やはりシンプルな独唱とピアノ版に限りますわね
16: 名無し 18/03/09(金) 22:48:39 ID:hlu
ムソルグスキー作曲、ショスタコーヴィチ編曲 ホヴァンシチナ
モデストとミーチャを両方とも楽しめる一粒で二度おいしい曲ですわ
RK版もございますけれど、あれはシャクロヴィートゥイのアリアへの編曲以外
見るべきもののない聳え立つ糞なんで(更に言わせて頂ければRK自体がうんち)今回は貼りませんわ
生者必滅、滅びの美学をこの上なく悲しく美しく描いた、
モデストとミーチャが生涯書くことのなかった、(古き良きルーシへの)レクイエムですわ
17: 名無し 18/03/09(金) 22:48:50 ID:hlu
ハチャトゥリアン ヴァイオリン協奏曲
ハチャトゥリアンの最高傑作ですわ
この曲を差し置いて(ガヤネーの)剣の舞やレズギンカばかり話題になるのは、
わたくしには理解に苦しみますわ
18: 名無し 18/03/09(金) 22:49:09 ID:hlu
ヴォーン=ウィリアムズ 旅の歌
英国流「冬の旅」ですわ
RVWの弟子のブリス曰く
「我らケンブリッジの音楽家にとりRVWの名は魔法のように響く。
彼の書いた旅の歌のスコアは、大学中のピアノの上に置かれているのだ」との事ですわ
この曲、聴いていただければお分かりになると思いますけれど、
男性のために書かれた歌なのですけれど、
このようにたおやかで美しい女性に歌われることによって
倒錯的で妖艶な美が漂いません…漂いませんこと?
19: 名無し 18/03/09(金) 22:49:24 ID:hlu
シューベルト ミサ曲第6番
シューベルトの死の年に書かれた作品、
弦五やピアノソナタは上演される機会が多いのに、
この曲が滅多に上演されないのは酷くない……酷うございませんこと?
時間のない殿方は、この曲の信仰告白まで飛ばして、
「聖霊の御力に寄りて乙女マリアよりお生まれになり、
ポンティオ・ピラトのもと、十字架にかけられ、葬られたまいにけり」を、
ぜひお聴きになって下さいまし
天上の音楽もかくやといわんばかりの三重唱&合唱ですわ
20: 名無し 18/03/09(金) 22:49:35 ID:hlu
ドヴォルザーク 聖母は佇みたもう
数あるスターバト・マーテルの中で最高傑作は何?と問われれば、
わたくしはAスカルラッティやペルゴレージやボッケリーニやプーランクやシマノフスキのそれではなく、
この曲を挙げますわ
この曲を一度でよいから下野さん&藤村実穂子さん&広響で聴きとうございますわ
21: 名無し 18/03/09(金) 22:49:54 ID:hlu
ヴァーグナー ニーベルングの指環よりジークフリート
ジークフリートは指環の中では一番マイナーな作品ですけれど、
第三幕はヴァーグナーの最良の音楽と見做してよい作品ですわ
ヒロインのブリュンヒルデの母であるエルダには、
(ヴァーグナーのマザコンぶりも見え隠れしますけれど)
限りない愛情を感じますわね……
22: 名無し 18/03/09(金) ID:hlu
みなさまご覧になってくださってありがとう
〆は
ショパン チェロソナタ
ショパンなんぞ女子供の聴く音楽、軟派な糞雑魚蛞蝓と侮っていたわたくしが認識を改めることになった曲ですわ
この曲一曲を以て、ショパンを偉大なる室内楽の作曲家の一人に加えてもよい、
それほどの傑作ですわ
1001: 以下、クラオタちゃんねるがオススメ記事をお送りします
引用元:https://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1520603141/
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